おはようございます!
整体庵 大空の下大前です。
今日は、「腱板断裂後の肩の可動域を広げるヒモトレエクササイズ」という内容になっています。
この内容は腱板断裂後手術をされた方はもちろん、
今現在、腱板を痛めて治療中の方にもぜひおすすめの方法です。
しかもとても簡単で、ただヒモをつけて日常生活や通常のリハビリの手助けにもなりますので、
ぜひ試してみていただければと思います。
お話の途中に、実際に体を動かしてみましょうという内容がありますが、
ぜひ読むだけでなく、実際に体を動かしてその感覚を味わってみてください。
理屈、理論ではなく、その感覚を味わうことが大切です。
それでは、腱板に負担がかかってしまう原因も含めてお話していきます。
ー今日のお話ー
腱板断裂に至る原因
腱板断裂は、
腱板を構成する4つの筋肉の1つである「棘上筋」という筋肉の
付着部分が断裂してしまう状態のことを言います。
腱板断裂は多くの場合、
肩を酷使する重労働者やスポーツ選手、高齢者にも発生しやすいという統計がありますが、
肩の関節部分に負担が集中しすぎていることが原因になり断裂に至ります。
では、
なぜ同じ環境にいる人の中で、腱板が断裂する人としない人がいるのでしょうか?
これは、
「ある部分」の動きの良し悪しによって、
肩関節にかかる負担の割合が変わってしまうからなのです。
この「ある部分」とは、
私たちの背中にある「肩甲骨」を指しています。
肩甲骨の動きが悪いと、そのしわ寄せは肩関節に行くことになり、
肩の負担が増え、腱板に負担がかかり、それが重なると断裂に至ります。
もちろん、外傷性腱板断裂と言って、転倒などにより急に切れることもありますが、
それでも術後のリハビリでは肩甲骨のスムーズな運動を取り戻すことはとても大切なことになります。
しかし、この「肩甲骨の動きをよくする」というのが、
簡単そうに思えるのですが、案外難しく、
たいていの場合、どんなに意識して動かそうとしても、肩甲骨はスムーズに動いてはいません。
なぜ、意識して動かそうとしても、その意思に反してスムーズには動かないのか?
実はここに腱板断裂を劇的に回復するポイントが隠されているのです。
肩甲骨にヒモをたすき掛け
肩甲骨を意識して動かそうとしても、その意思に反してスムーズには動かない、
その理由は後ほど解説するとして、
まずは、肩甲骨を動かすおすすめの方法をお話しましょう。
まずは、立ってみて肩を回してみてください。
肩が痛い方は無理に回さず、動ける範囲で前後に回してみてください。
その周りやすさを覚えておいてくださいね。
1.5m程度のヒモを用意して両端を結び、輪っかにします。
(長さは体格に応じて調節してください)
輪っかにしたヒモを下の写真のように、たすき掛けにかけます。
クロスした輪っかを両腕に通して…
クロス下部分を背中側にしてたすき掛けの完了です。
ヒモはきつくしめず、ゆるすぎるくらいゆるくて大丈夫です。
しばらくつけているとヒモをつけていることを忘れてしまうくらいがいい感じです。
たすき掛けができたらもう一度はじめに行なったように肩を回してみましょう。
いかがでしょう?
先ほどより肩の可動域が広がり、
スムーズに動いているのがわかりますか?
ちょっとわかりにくいという方は、たすきを外して、もう一度肩を回してみてください。
外した時に動きにくさや窮屈さを感じませんか?
感じ方によっては、ヒモがないと、肩を支点に腕が周り、ヒモがあると、
胸や背中から動くような不思議な感覚があるかもしれません。
意識と無意識の運動
先ほど行なったたすき掛けをすると、
肩が背中から動くような不思議な心地よい感覚があったと思います。
この時は、あなたは背中から動かそうとか、
肩甲骨を動かそうとはしていなかったはずですよね?
それなのに、なぜかヒモを巻くと動いてしまう。
これは、
「背中にヒモがある」という状態が無意識に体に作用して、
背中の肩甲骨が動き出したのです。
ちょっと「?」かもしれません。
無意識に働きかけるからこそ、スムーズな動きを引き出せるという人のからだのおもしろいところです。
無意識だからスムーズになる
「無意識だからスムーズさが生まれる」
このことをもう少し説明したいと思います。
あなたは歩く時に、歩き方を考えて歩いていますか?
右手が出したら、左足を出して…
みたいなこと考えて歩いてませんよね?
何か夕飯の準備を考えたり、仕事のことを考えたりしていませんか?
反対に歩き方を意識して歩いてみてください。
まともに歩けないでしょう。
これが意識を使った運動です。
今行なってもらったように、人の体は意識した状態では過剰に意識した部分がかえってスムーズな運動を妨げてしまいます。
腱板断裂や、それ以外のリハビリや筋力トレーニングは全て、
「意識した運動」です。
意識した運動はスムーズさが失われて、ぎこちない運動パターンを作ります。
つまり、肩甲骨を意識して動かそうとすればするほどそのスムーズさが失われていくということになるのです。
ヒモトレは「ヒモがただそこにある」だけで、
なんの意識することもなく、スムーズな運動を引き出すきっかけを作ってくれます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本日お話ししたのは、
意識した動作は、動作のスムーズさを奪い、
無意識の運動は体全体の調和の取れた動作になるというお話でした。
腱板断裂で悩んでいる方はもちろんですが、
体を動かす時に痛みが出る方は、痛みが出ている場所だけを意識するのではなく、
別の部分に目を向けてみましょう。
そうすることで、
解決できるヒントがあるかもしれません。
ぜひ自身の体で色々な実験を行なってみてください。
そして、
もし自分ではどうしようもなければ、僕に相談しに来てください。
視点が変わるきっかけになれれば幸いです。
もし、いいお話だなと思った方はぜひその方にこのブログを見せてあげてください。
それでは今日はこの辺で!