おはようございます。
整体庵大空です。
最近、とても感銘を受けた本がありました。
〝吉野源三郎著 君たちはどう生きるか(1982年)〟
宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」の元になった本だそうです。
有名な本なので、読まれた方も多いでしょうし、良い本であることは知っているよという方も多いと思いますが…
最近ハッとさせられたことと、この本の内容が重なるところがあって、うまく言語化できるかわかりませんが出来るだけ言葉にしてみたいと想い書いています。
個人の感想に興味ない方にはスルーいただくとして、とても良い本ですのでぜひ読まれてみてください。

感覚は教えられない
環境が変化したり、身に着ける衣服や、道具などは、身体が変化するキッカケになります。
変化しますが、変化を感じられるかどうかはまた別の課題でもあって。
整体や鍼灸、体操もたぶんキッカケで、そのキッカケから、他者の中でどんな感覚が立ち上がってくるかは人それぞれ違った感覚が立ち上がります。
整体も出来るだけ相手が良い方向に行って欲しいと思って行いますし、料理を作る方も出来るだけ美味しく食べてもらいたいと懸命に努力しますが、その料理を食べてどう感じるかは食べた人の感覚で、そこだけは教えたりすることは出来ないし、場合によってはむしろ教えない方がいいことも多そう。
仕事をしていると、つい自分の感覚を相手にもわかって欲しいと思って、つい余計な一手を加えてしまうことが僕は多くてダメだなと反省することがあります…
術者が想像した通りに感覚してくれることが必ずしも良いわけではないし、その変化を感じ取れなくても悪いことではないと思います。
ただ、他者の中にもなかった新しい感覚が立ち上がってくることもあって、それがまた術者の学びになることもあって、この感覚の領域は犯すことも、犯されることも本来は出来ないだろうなあと思います。
思考がパターン化されてる
人と話しているときに、その人の会話をしている自分とは別視点で、今相手はなにをかんがえているんだろう…?とか、今自分が話していることになんで?と突っ込んだりしませんか?
なんとなくそんな感覚になることがあるんですが、この場面ではこう答えるとか、この話題の着地点は大体ここに着地するように話そうとか、たぶん相手はこう行って欲しそうだからそこへ向かってしまったりとか…ということが割とあります。
コミュニケーション自体がパターンになってて、新しい感覚が立ち上がることが少ないなあと感じたりします。
もしかすると、人同士の会話もこうだから、AIアプリに話を聞いてもらって慰めてもらうという方が増えているのもその表れなんでしょうか。
医療も、その他分野でも多くがパターン化されつつあるかもしれませんが、本来その人独自の中で立ち上がる感覚ですらもパターン化されているのは危ないように思います。
無駄を無くすほどに…😞
そうなってくると、無駄をなくしとにかく効率良くしようとして、それ自体が目的になってしまうこともある気がします。
たぶん元々は目的を達成するために、無駄を省いて効率化しようみたいな順番だったはずが、いつしか面倒なことを避けて効率化すること自体が目的になって、無駄をなくすほど面白味もなく、ただの「無」になっていく感じがします。
もしかしたら、自分自身の感覚自体が邪魔だとすら思っている人もいる気がして、そんな感覚とかよりもネット検索やAIや誰かに聞いた正解「っぽい」ことに価値を置いている人も少なくないのかもしれません。僕も心当たりがあります。
感覚を閉ざし、感覚を感じないようにしている感覚すらもなくそうしているという感じでしょうか。
AIにはなく、人間にあるものの一つは「無駄」な気がします。
『無駄なことって無駄にならない』
ってイチローが言ってましたから、その通りなんでしょう。笑
歴史の勉強
個人的な趣味ですけど、歴史の勉強が好きです。
学校での歴史暗記系の授業は嫌いでしたけど、歴史に興味があるというよりも、その時代時代を生きた人の背景(常識や概念、共通認識とか)に興味があって、それを想像すると、今の自分達を客観的にみれる感覚になるのがたぶん好きで。
今まではなんとなく好き程度だった感覚ですが、最近なぜ好きなのか?というのが言葉にできるようになってきました。
今の僕たちが生きる社会、時代にも同様に社会的通念があって、そこは当たり前に存在するから感覚しにくい部分なので、違う時代背景を知ることで今の自分のことを少し俯瞰的に見れる気がするんです。
時代背景もありますが、同じ時代の人でも人それぞれにまた背景があって。
その背景を想像出来ずにコミュニケーションを取ると、いろいろな問題が発生しやすいし、その問題を避けるためには、やはりコミュニケーションをパターン化してしまえば、背景なんかどうでもよくて、当たり障りなく人と話せます。
つまりは無駄が省けると考えているのかもしれませんが、ここに大きな問題があるように思います。
この辺りをとても考えさせられた一冊でした。
まだ読んだことがない人はぜひ読まれてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございます。