当院のお客様にご質問いただきました。
「目が疲れると肩や背中がこるのはなぜですか?」
「ホットタオルをすると肩首・背中のこりがマシになるのはなんでですか?」
日常施術をしていまして、目の疲労が身体に影響していると思う方には、目をホットアイマスクで休めてあげることをお伝えさせていただくことがあります。
今回ご質問いただいた方も同様で、目を温めると確かに首や肩の疲労が楽になるけれど、これはなんで?と疑問に思われたとのことでした。
自分なりにその理由を考察しながらブログにまとめたいと思います。
目が疲れて肩がこる理由には、大きく3つあると思っています。
1、目と肩周囲の筋肉の神経支配が近い
2、視線を維持するのに、姿勢を維持する必要がある
3、土台(足元や腰)の不安定さ
それぞれお話していきます。
1、目と肩周囲の筋肉の神経支配が近い
目の感覚神経は「三叉(さんさ)神経」という神経からくるもので、その核は頸椎1〜3番にあります。
そして、同じ頸椎1〜3番から出る神経によって、首や肩、背中周囲の筋肉はコントロールされるので、目の状態によって、首や肩周囲の筋肉は反射的に影響を受けているので、目の緊張が同時に筋肉の緊張になりやすいです。
もっと専門的に知りたい方は、解剖学の本を読まれてみると理解しやすいと思います。
2、視線を維持するために、姿勢を維持する必要がある
例えば、椅子に座ってデスクワークする方だと、デスクにあるパソコンやスマホなどに視線が集まります。
視線が無理なく目標物に合うために、必要なのが姿勢を維持することで、それによって視線を同じ場所に集めやすくなるので、目でものを集中してみようとするには、常に姿勢を維持するための筋緊張が必要なので、長時間のデスクワークになるほど肩や首がこりやすくなります。
視線のズレが大きいほど、肩がこる?
視線を合わせるための姿勢維持で筋緊張が必要というお話しをしました。
その筋緊張は視線のズレが大きくなると、それだけ視線を合わせてかつ、その視線を維持するための姿勢をたくさんの筋肉によって行う必要がでてくるので、視線のズレは大切なポイントです。
視線が合いにくいと、肩こりだけでなく身体も疲れやすいので、長く集中して物事に取り組むということが辛くなりやすい傾向にありますが、そもそも、どれだけ自分の視線がズレてるんだろう?と気になる方は、自分の主観だけではわかりませんので、専門の先生にみていただくのが良くて、僕が今目を学ばせていただいている視覚行動研究所の野澤先生にみていただくことをオススメします。
3、土台(足元や腰)の不安定さ
視覚行動研究所の野澤先生のメガネをかけて、視線が整うと、肩の力が抜けるだけでなく、腰や足元が安定するということがよくみられます。
視線を定めるために、姿勢維持が必要ですが、その大部分を肩や首周りの筋肉に頼っている方が多く、本来、姿勢の維持は、足元の安定や腰の安定がメインで、首や肩の筋肉は補助的な役割ですが、足元や腰の安定が不十分のときに、補助的な役割であった肩や首周囲の筋肉が過剰ながんばりを強いられて肩こりにつながっています。
肩こりで肩のマッサージをしても翌日にはもう肩がこるという経験をされている方をよく聞くのも、ここに理由があって、本来安定すべき場所(足元や腰)に安定がなく、苦肉の策で肩周りで安定しようとしているところをもみほぐされてしまうと、身体のどこにも緊張がなくなってしまいます。
肩こりで悩む方はまず、しんどい肩を含めて、足元や腰など、身体を全体的によくみてみることが大切かなと思います。
デスクワークの方であれば、目の疲れから肩こりで悩む方は、目を温めたり、マッサージに行くのもひとつのケアですが、まずは足元や椅子、机(ディスプレイとの距離感や高さなど)などをまず見直してみることは大切な視点だと思います。
まとめ
今日は「目の疲れと肩こりの関係」について考察しました。
視線の維持と、姿勢の維持というのがポイントで、身体の面から視線を維持しやすい状態に整えてあげる視点も大切ですし、視線を合わせるためのメガネ(両眼視機能)を合わせて作成してみるというのも大切だと思います。
僕自身も学び進める中で、進展がありましたらまたブログにさせていただきますし、ご質問がありましたらぜひよろしくお願いいたします。
なにか気づきのひとつでもあれば幸いです☺️