昨日、
「滋賀県立病院、肝臓がんの疑い見落とし 80代の男性患者死亡」https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/mainichi-20191002k0000m040302000c.html
というネットニュースをみました。
詳しく知りたい方ははリンクを張っていますのでみてみてください。
要約するとこのような内容です。
2019年4月に滋賀県である男性が肝臓ガンで亡くなられました。
しかし、
4年前の2015年に冠動脈(心臓の動脈)のCT検査をした際に、
「肝臓に腫瘤があり、ガンの疑いあり」と検査時に指摘されていたにも関わらず、
当時の主治医はそれを見逃し、2019年に肝臓ガンが悪化し亡くなられました。
このニュース、普通にみると、病院側の見落としが悪くて、
病院の責任問題を問われ、病院は遺族に謝罪し、担当した医師には処分を検討しているということです。
これをみて皆さんはどう思いますか??
病院の検査も絶対に信頼できないから怖いね。
しっかりした病院や医師にみてほしいね。
って思いますよね?
意見は人それぞれなので、どんな考えもありです。
確かに、
担当医が検査した医師の「肝臓ガンの疑いあり」という記載を見逃していたか、
専門外だから気付かなかったかまでは想像できませんが、
この病院内での連携や意思疎通が滞っていた病院だったことは確かですし、
今回の件以外でも、例えば、薬の処方などについても細かいヒヤリハットは多々あった組織だった可能性はあって、
その辺は大いに反省していただいて、
この病院が存続するのであれば、しっかり組織作りから見直していただきたいということは切に思います。
今回の男性患者様の例では、
2015年当時80代と、ネットに記載があったので、
お亡くなりになられた今年2019年時点では恐らく90代前半であったかと思います。
肝臓ガンというのは、
国立ガン研究センターの情報によると、
5年生存率
ステージⅠー59.6%
ステージⅡー35.6%
ステージⅢー14%
ステージⅣーⅠ.9%
となっています。
今回亡くなられた男性患者様の肝臓ガンのステージは公表されていないのでわかりません。
肝臓ガンの最新の治療は、
陽子線治療というのがあるそうですが、
この治療でも5年生存率は18%で治療ができないケースもあるそうです。
ちなみに陽子線治療の費用は160万円だそうです…
結果論といえば、それまでですが、
80代半ば〜後半で肝臓ガンが発生し、90代前半でお亡くなりになられている事を考えると、
2015年当時、「あなたは肝臓ガンで5年生存率は約◯◯%です」と言われていたら、
2019年まで果たして元気に生きておられたのかどうか。
80代でのオペや薬物療法は体力的にも負担は強いですし、
少なくとも、
2015〜2018年頃までの3年間は、肝臓ガンではない人間として元気に生活していたわけで、
今回は「病院の見逃し」という側面でしか情報は語られていませんが、
色々な角度からみると、知らなかった事で良かった事も多々あるのではないかなと思えてきたりもします。
こういうブログを書くと、
「見逃しを正当化するな!」という意見をいただきそうですが、
僕が言いたいのはそういう事ではなく、検査に行かない方がいいと言っているわけでもありません。
みる角度によって、
何が正しくて、何が正しくないのか、は180°入れ替わってしまいます。
ご遺族の立場を考えると、
やはり「あの時教えていてくれて、早めに検査していたら…」と思う気持ちも十分に察しますし、
もし、自分が遺族の立場だったらどう思うだろうか?
もし、自分が本人だったらどう思うだろうか?
と思いを巡らせてみても、何が正しいのか?難しい問いですよね。
受け入れ難い事実であると思います。
もし、僕が患者さんの立場であれば、
「肝臓ガン」である事を見逃してくれていた方が、ありがたいと思うかな?とも思いますが、
皆さんはどう思いますか??
これは外野の立場である僕たちには議論できますけど、
答えを出せるのは、当事者の方だけですし、
その答えは人それぞれなのだろうと思います。
しかし、
こういうネットニュースだけをみると、
単なる病院の不祥事としてしか扱っていなくて、
画像も病院関係者が頭を下げている写真なので、
どうしても情報が偏っていて操作された情報を鵜呑みにしてしまいがちです。
情報は一つの側面からみるのではなく、
いくつかの角度からよーく考える必要があるなと思わされた出来事でしたので、
ブログで紹介させていただきました。
とにもかくにも、
亡くなられた患者様のご冥福をお祈りいたします。